動機付けの基礎

動機付けとは、行動を起こし、持続し、一定の方向へ導く過程の総称をさす。

(1)動機付けの2つの側面

→例えば、飢えや渇きは動因であり、それに対して食物や水は誘因といえる。

(2) マズローの欲求階層説

マズローの欲求階層説

A.H.マズローによって提出された理論で、人間の欲求は5つの階層をなしているというもの。生理的欲求から、自己実現欲求へと進むにつれて、高次の欲求になっていく。
人間は、下位の欲求が満たされるにしたがって、より高次の欲求を求めるようになる。

(3)一次的(基本的)欲求と二次的(派生的)欲求

一次的欲求

一次的欲求とは、固体の生命や種の存続を維持するための身体的・生理的欲求のことである。ホメオスタシスはこの一次的欲求を発生させる生物学的メカニズムといえる。

→ホメオスタシス(キャノン Cannon, W.B.):生活体が外的あるいは内的な環境の変化に対して、自分自身を変化させることによってバランスを保とうとすること(例:飢えや渇きなど)

二次的欲求

二次的欲求とは、一次的欲求から派生した欲求のことである。生後、経験や学習を通じて新たに獲得される(例:金銭欲求、承認欲求、達成欲求、親和欲求、所属欲求など)

(4)内発的動機づけと外発的動機づけ

内発的動機づけ

特定の行動を行うことそのものが、その行動の目的あるいは報酬となっているような行動で、他者からの報酬や承認ではなく、純粋に知的な興味から調べたり、学んだりするような行動の背後に働くと考えられる動機づけを内発的動機づけという。

外発的動機づけ

賞賛と叱責、報酬と罰、競争など、行動の動機が外的な要因によって引き出されたものを外発的動機づけという。

アンダーマイニング(適正当化)効果

自発的な行為(内発的に動機づけられた行為)に対して外的報酬を与えると、自発性が低減して報酬なしには行為を行わなくなることをアンダーマイニング(適正当化)効果という。これは、報酬によって外から拘束を受けるように感じた結果として自発性がなくなっていく為と考えられる。

エンハンシング効果

自発的な行為に対して賞賛などの言語報酬を与えると、自発性が一層強化されることをエンハンシング効果という。ほめられると一層やる気が起こる。

(5)動機づけの水準

ヤーキーズ・ドットソンの法則

一般に覚醒レベルが高くなるにしたがってほぼ比例的に効率(パフォーマンス)が増す。しかし、最適なレベルを超えて、強い情動が喚起されるような状態になると、パフォーマンスは逆に低下する。また、この最適な覚醒レベルは、行為の難易度によって変化する。

→易しい課題では強い動機づけは高成績につながり、課題が困難な場合は低めの動機づけの方が高い成績につながる。

(6)機能的自律(オルポート Allport, G.W.)

機能的自律とは、最初は生得的欲求などの充足のための手段だったが、後にそれ自体、欲求の対象となること。

例)最初は生活の糧のために船員になった男が、次第に海を離れては暮らせないほど海が好きになり、生活が安定しても船員を続け、また休日には自分のヨットに乗る。

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