エリクソンの生涯発達心理学
エリクソンの心理的社会的発達理論
人間の一生を8つの段階に区分し、そのそれぞれの段階に心理・社会的危機があるとした(フロイトの理論を発展させた)。
→単に「いつ何が出来るようになるか」を示すだけでなく、他の段階や他の要素の影響が絡み合って個人の発達を決定するという発想に基づいている。
a.乳児期 0~2歳 ・・・基本的信頼 対 不信
乳児は母親またはその代理者とのスキンシップや働きかけを通して強い母子関係の中で、人間としての基本的な母子一体感を感じ取り、これが人間に対する基本的信頼となる。
b.幼児期初期(幼児期前期) 2~4歳 ・・・自律心 対 恥・疑惑
子どもは排泄の訓練や日常の基本的生活習慣を親からしつけられ、自尊心や自信を持ち、自律へと成長していく。「自我のはじまり」のころで、第一次反抗期にあたる。
c.幼児期後期(遊戯期) 4~8歳 ・・・主導性 対 罪悪感
遊びを通して社会性が広がり、主導性・積極性が一段と増してくる。反面、善悪の判断を誤ったりて、罪悪感を持ちやすい時期でもある。性的役割を自分に取り込む。
d.児童期(学童期) 8~12歳 ・・・勤勉性 対 劣等感
旺盛な知識欲に駆られて学習に勤勉に取り組もうとする時期。しかし、全ての学習において自信と全能感をもてないのが普通であり、劣った学習や不完全な能力に対し劣等感を持ちやすい時期でもある。
e.青年期 12歳~ ・・・自我同一性の確立 対 自我同一性の拡散
青年期は自我同一性(アイデンティティ)を確立する時期である。この確立に失敗すると自己の拡散状態に陥ってしまう。青年期はアイデンティティを確立するために、社会的責任の一部を免除されるモラトリアム(責任猶予期間)であるとされている。しかし、近代社会は複雑化し、自我の同一性の確立は難しく、いつまでも大人になりきれない若者を生み出す傾向にある(モラトリアム人間)。
f.初期成人期 ・・・親密性 対 孤立
アイデンティティの融合に裏付けられた友情、愛、政敵親密さを得ることができるか否か
g.成人期 ・・・生殖性 対 停滞
次の世代をはぐくみ、世話することに喜びを感じられるようになるか否か
h.成熟期 ・・・統合性 対 絶望
自己嫌悪に陥ることなく、自己の人生を自己の責任として受け入れることができるか否か
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